Make your own free website on Tripod.com














1
 アルファインの薄暗い部屋は淫猥な空気のなか,香澄は大きな肘掛け椅子に腰をおろした.男の選んだのは,離れの1階の一番大きな部屋だった.岩肌のむき出しの壁,十字架,チェーンブロック,鎖付きのベッド等,最も多くの装備のそろった部屋だ.料金ももちろんかなり高額だ.初対面なのでずいぶんと張り切ってるようで,少しおかしかった.
 男が,足元に跪く.香澄の顔を見上げる.視線が合うと慌てて目を伏せる.M男性特有の上目遣いの媚びるような視線だ.
 部屋に入った直後に念のためにシャワーを取らせた.黒いビキニ一枚で裸身をむき出しにした男の身体を見下ろす.
 男とはネットで知り合った.3週間ほど前に,さるチャットで話したのがきっかけで,メールのやりとりが始まった.なぜ会おうという気になったのか,香澄は自分でもよく分からなかった.どこか惹かれるところがあったのだろう.このような形でプレイ相手と会うのは初めてのことだ.何のしがらみもない.これからの何時間か,やりたいことをするだけ,そう思った.

「いつまで頭を上げてるの?」
 男があわててて土下座する.
「頭はしっかり床につけるものよ」
 頭にのせたヒールに力を入れて,床に押し付ける.足先で髪の毛を踏みにじる.
「言われるまで,できないなんて,何年Mやってるのかしら? 」
 すでにプレイモードに切り替わっている.
「顔上げなさい」
 上から見下しながら,顎の下にヒールのつま先をかけて上を向かせる.
「ご挨拶なさい」
 男が何か言いかかるのをさえぎる.
「言葉はいらないわ」
 面前にヒールのつま先を突きつける.
「奴隷の挨拶の仕方ぐらい知ってるでしょ?」
 ヒールの裏側を顔面に近づける.
「分かってるわね.両手は後ろに組んで,ヒールの底を隅から隅まで舐めるのよ」
 ヒールに添えようとした手を慌てて引っ込めて,男がおずおずと舌を伸ばす.躊躇の表情を楽しむ.
 プレイ用のきれいな「上履きヒール」ではない.今の今まで外の道を歩いてきた土足である.しかも,ホテルのよる前に入ったレストランではトイレに行っている.香澄もこれまでのパートナーにはこういうことはさせたことはない.自分のパートナーに土足をなめさせることはできなかった.だからこそ舐めさせたかった.見知らぬ相手との最初の出会いだからこそ遠慮はいらない.普通の相手にはとてもできない徹底した屈辱を与えたかった.
 
「何してるの」
 男の身体がびくっと震えた.舌が伸ばされヒールの裏側に押し付けられる.舌の震えるわずかな感触から男の屈辱が足の裏に感じ取れた.
 (舐めさせた・・・・土足の靴の裏を・・・・)
 香澄は身体の芯に何か火がついたようのを覚えた.人間なら絶対に堪えがたい屈辱を与えた.相手のプライドを土足で踏みにじった.その屈辱を舌の震えとして足裏に感じている・・・そう思うと,闇にともったろうそくの火のように,嗜虐心が頭をもたげはじめる.
 「ほら,隅から隅までよ・・・」
 屈辱の作業を命じる声が,わずかに上ずっていた.

 「これをつけなさい」
 ヒールをたっぷり舐めさせた後,香澄は男の前に革のマスクを無造作に投げた.いわゆる全頭式マスクで,目のところがくりぬかれたものである.口の部分はチャックで開閉が可能だ.
 マスクをつけさせることで,理由はわからないが,それで相手の人格を奪ったような感覚が得られる.目以外の表情が表に出せず,相手の言葉がこもることも原因かもしれない.人間的な感情を伝えることができなくなるわけだ.マスクをつけさせる・・・それは人格を否定し,香澄にとっては徹底した責を加える宣言といってもよい.
 「後ろ向きなさい」
 マスクの背面の紐を締め上げて結ぶ.頭部に密着した革の感触がなまめかしい.

 だまって壁の十字架を指差す.
 鞭打ちから始めることは,最初から決めていた.おろしたばかりの一本鞭.わずか10日ほど前に,知人と一緒に使ったばかりの新品だ.まだまだ硬さの残る.前回は,パートナーの身体に残る傷跡を気づかってこれまで思い切りは使えなかったこの鞭を,今日は存分にふるうつもりだ.
 男の四肢を十字架に拘束する.両手両足がX字型に大きく広げられる.
 鞭を軽く素振りする.床を叩く音に心なしか男の身体が反応している.
(お楽しみ,というわけ・・・・.そう,いいわ.でも,必ず根を上げさせてあげる.痛さで許しを請うまで鞭打ってあげる.そして,その懇請を踏みにじって,さらに打ってあげる・・・).
 
 ゆっくりと間合いを取り,右肩から左へと打ちおろす.鈍い音が男の肩口ではじけた.一本鞭は,バラ鞭のようによい音は鳴らない.しかし,着実な痛みを与えた感触が手元に残った.
 次は左上から右下に振り下ろす.やはり鈍い音.うめき声がマスクの下から漏れる.
 間を空けず,さらに右から,次いで左からX字状に何度も打つ.次第にリズムがついてくる.
 (痛がっている・・・・そうよね,これは痛いはずよね・・・)
 打たれるたびに男の身体が収縮し,両手の手のひらは鎖を握り締め,鎖を引きちぎらんばかりに身体をよじる.
 (そうよ,もっと悶えなさい・・・まだまだよ)
 容赦なく鞭を入れていく.5打,10打・・・最初はできるだけ静かに耐えようとしていた男の身体の動きが次第に大きくなり,いまや一打ごとに身体全体を逃れようとガチャガチャと鎖の音を響かせる.だんだん脈拍が高くなってくるのは単に運動しているからではない.

「こっちはどうかしら」
 鞭を水平に大きく振り,わき腹を打つ.
 その瞬間,大きな悲鳴が部屋の空気を震わせた.マスクにさえぎられているとはいえ,絶叫であることは分かる.男の身体はのけぞり何度も十字架に身体を擦り付けるようにねじった.香澄は思わず鞭の柄を握り締めた.
(本当に効くのね・・・ここは・・・)
 躊躇なく,逆側から水平の鞭を入れる.
 再び絶叫.
 しばらく間を置いてみる.鞭打ちの後も男の嗚咽が,マスクでさえぎられたくぐもった嗚咽が漏れてくる.

 鞭を置いてゆっくり近づいていく.男の背中をゆっくり撫でる.
 鞭打ち後の敏感な肌は感じやすいらしいと聞いた.これまでのパートナーはいずれも鞭打ち後の肌を撫でられて感じていた.この男も同じようだった.
 しかし,今は快楽を与えるために近づいたのではない.背中を撫でた後,ゆっくりわき腹を撫でる.両脇には,先ほどの鞭打ちの後が痛々しい痕を刻んでいる.ゆっくりとその痕を撫でながら聞く.
「痛かった? ここは?」
 男が即座にうなづく.
 (本当に痛かったのね・・・・)
 反応で分かる.
 「分かったわ.どこを打てばいいか・・・・」
 男の身体がびくっと振るえた.振り返って香澄の顔を見つめる.マスクの穴からのぞく目が哀願するように見開かれている.
 「もっともっと泣き声を聞かせて頂戴ね・・・.」
 耳元に顔を近づけて囁く.同時にわき腹の傷跡を爪でなぞる.
 「ヒィーーー」 
 耳障りなこもったうめき声が漏れる.
 これを言うために,わざわざ鞭打ちを中断したのだ.残酷なリンチを宣言し,哀願する目を見て,身体の震えをこの手で確認するために.獲物をなぶる前に,ゆっくりその怯えを実感したかったのだ. 身体の芯が一点熱く燃えてくるのを感じる.
 再び鞭距離をおいて鞭を手にしたとき,香澄は,これまでにない嗜虐の欲望の高まりを感じ始めていた.
 
 再び距離を取って鞭を構える.今度は水平に振る.わき腹を巻くように鞭が入る.男の身体が痙攣する.背中と違って派手な音はしないが,痛さは数倍だろう.
 逆側にも入れる.身をよじって避けようと男が無駄なあがきをする.
 (本当に痛いのね・・・)
 胸の中にこみ上げてくる昂ぶりを抑えながら,2打,3打と加えていく.その度に,何とか逃れようと男が身をよじるが,十字架につながれた鎖に阻まれる.
 (もっと,もっと悶えるのよ)
 次第に鞭のペースが早くなっていく.両脇がには何本もの痕がのこっている.

 もう20発は打ったであろうか・・・.再び息が上がったところで鞭を置く.ゆっくり背後から近づき後ろから抱きかかえる.背中を撫で,首筋を撫でる.熱くほてったわき腹をゆっくりなぞる.マスクの下から,喜びとも苦しみともつかない悶えた声が漏れる.

 「抱いて欲しい?」
 耳元でささやく.男がうなづく.
 「そう・・・・」
 いったん離れる.背後でごそごそ音がする.いぶかしがる男.

 「たっぷり抱いてあげるわ」
 再び後ろから近寄り,身体を密着させる.男は背中に香澄の胸を感じる.
 「たっぷりとね・・・・」
 次の瞬間,耳をつんざくような大絶叫が起きた.香澄が両手につかんだ荒塩を男の両脇にすり込んだのだ.
 「遠慮しなくてもいいのよ.たっぷり抱いてあげるから」
 背後から男の身体を強く抱きしめながら,わき腹,腹,脇の下などに塩をなすりつける.
 「何暴れているの?」
 泣き叫び,暴れる男を取り押さえるように後ろから抱きかかえる.
 「私に抱かれるのがそんなにいやなの?」
 男が慌てて首を振るのを無視して続ける.
 「でも嫌がれば嫌がるほどしてあげたくなるわ」
 背後から締め付けるように抱きかかえながら,傷跡にすり込んでいく.

                                 

                                           3
 男を十字架から開放する.ぐったり崩れ落ちた男のわき腹を蹴って立たせる.休むつもりはなかった.鞭打ちで高まった興奮が冷めないうちに次の責に入りたかった.
 床にひざ立ちにさせる.細めの麻縄をバッグから取り出して後ろ手に縛り上げる.手首,上腕をきっちり締め上げる.筋肉質の身体にがっちりと食い込ませる.
 頭を押して床に倒す.
 「さっき,叫びつづけてたから喉が渇いたでしょう」
 そういいながら,全頭マスクの口のチャックを開ける.
 「飲ませてあげるわ」
 マスクの目の部分に革の目隠しをつける.
 何を飲まされるのか? 男は即座に悟ったのだろう.身体がびくっと震えた.
 マスクからのぞく口に漏斗を押し込む.直接口をつけさせるのは抵抗がある.
 
 横たわる男の横でかがみ,ゆっくりと下着をとる.漏斗の上にまたがり,放出する.
 漏斗を押し込まれているために,一滴ももらすことはできない.ゴボゴボと苦しそうにむせながら,嚥下していく.その苦しそうな様が欲望を加速する.
 容赦なく一気に放出する.漏斗にいっぱいにたまった液体は,容赦なく男の口に押し込まれていく.

 「少しは喉が潤ったかしら?」
 それどころではないだろう.塩分の強い液体でいっそう乾いたはずだ.

 「残すんじゃないわよ」
 最後の一滴が見えなくなるのを確認して漏斗を抜く.

 「さっきはちょっとうるさすぎたから,これを咥えてなさい」
 男の口に脱いだ下着を押し込み,マスクのチャックを閉める.

 「まだまだ,これぐらいじゃないのよ.もっともっときつい責めが待ってるんだから」
 自分に言い聞かせるようにいった.

 男の両足首にロープをかけて滑車につなぎ,引き上げる.タオルを足首に巻いておく.長時間吊っておくためだ.脚が浮き,腰が浮き,肩が浮き,ついに頭が床から離れた.からからと鎖で吊り上げる.男の頭が,自分の膝の高さに繰るぐらいに吊り上げる.ぎっちり後ろ手に縛った身体が,自分の目の前で揺れている.
 開脚逆さ吊.男の身体がYの字型に中に浮く.縄の緩みがないかどうかを確かめる.

 香澄が手にとったのは,やや短めの軽い一本鞭だ.さっきまで振っていた鞭は,重いために連打するのに限界があるからだ.細めの鞭だからといって痛くないわけではない.逆に,刺すような鋭い痛みが走る.
 軽く宙で振ってから,男の背面を打つ.ついで両脇,太ももの内側などを試すように打つ.段々打つ速度を速め力を入れていく.

 ピシッ,パシッ・・・・乾いた音が宙で弾ける.

 「うう・・・ぐぅうう」

 くぐもったうめき声が下から聞こえてくる.下着をつめこまれ,革マスクをはめられた男は,悲鳴を上げる自由すら与えられていない.
 さらに鞭の力を加えていく.

 早く,強く・・・・・

 30発を超えたあたりから,ほとんど滅多打ちといっていい打ち方になる.
 男の身体が,苦痛で揺れ,海老ぞリ,揺れる.ぎしぎしと麻縄のきしむ音が心地よい,
 されに叩きつけるように打って,男の悶える様子を楽しむ.

 突然,残酷なアイデアが香澄の頭をよぎった・・・・・・
(だめ,いけない・・・・いくらなんでも,そんなことをやっては・・・・)
 思わず頭を振って,忘れようとする.気を取り直して,再び鞭打ちに入る.
 苦悶し空中で悶える男の身体.悲鳴が再び妄想をかき立てる.抑えきれない衝動が,喉元から心臓が飛び出そうな興奮を覚える.
 (いけない・・・・)
 必死で自制心で抑える.

 「ああ・・・・あ....」
 男の押し殺したような悲鳴がちょうど膝のあたりから聞こえてきた瞬間,香澄の身体の中で何かがはじけた.
我を忘れた香澄が大きく振りかぶり,一本鞭を,男の開脚した脚の真中に思い切り叩きつけた.股間をおおう小さな黒い下着の中央に,鞭は吸い込まれるように入っていった.

「ぐあぁああ・・・・・・・・・・・・」
 押しつぶしたような異様な悲鳴が部屋中に響いた.空中で男の身体が激しくのたうつ.一本鞭が急所を直撃したのだ.打った瞬間,子宮を突き上げるような快感が香澄の全身を貫いた.

しばらくして,男の身体の痙攣が止まるのを待って,男の身体をゆっくりと床に下ろした.
 

                                              4
 香澄がだまって足首の縄をとく.全頭マスクを脱がせ,口から下着を引き出す.男は床に腰をおろしたままうずくまるようにしている.香澄は男の横の椅子に腰掛けた.
 「どうする?」
 声を掛けた.
 「まだ続けるつもり?」
 男の顔をのぞくようにして聞いてみた.
 もし男がこれでやめると言ったなら,ついやりすぎたことを謝罪して,ホテル代は自分で払って終わりにするつもりだった.プレイに危険はつき物とはいえ,あくまでその危険を合意した上ですべきものと考えている.自分が思わず一線を越えてしまったことは分かっている.もし,男がこれ以上のプレイは危険だと考えるならやめるしかない.
 男が黙って香澄の顔を見上げた.しばらくの沈黙の後口を開いた.
 「お願いですから,続けて下さい.」
 懇願するような媚びるような,マゾ特有の上目遣いの目の奥に,陶酔した色があることを見逃さなかった.
 (そういうことなのね.ここまでされても,私にまだ責められたい.....そう,身の危険を冒しても私に責められたいのね.)
 完全にこの男の心を掴んだという満足感がじわじわと心に広がってきた.いや,そもそも男に続けるかを問うたときから,勝算はあると思っていたのだ.

 「そう・・・・・」
 冷たく言い放って,男の顔を見下した.プレイを続けるという前提なら,謝らない.その必要はない.そういうことでせっかくのテンションが下がるのが怖い.現に見上げる男の目は被虐の喜びをたたえている.

 「こちらにきなさい」
 膝元で正座させる.
 ヒールを太股の上に置く.ヒールのかかとをゆっくりねじるように埋め込み,体重を掛ける.
 「あ..ああ」
 髪の毛をつかんで顔を起こす.
 頬を思い切り平手で打つ.
 「ああ...ああ」
 急所打撃のダメージが回復するのを待つ間も,こうやって興奮が冷めないようにするつもりだ.

 頬を打ち,ヒールで踏みにじりながら,男の身体を観察する.
 無数の鞭痕が身体中を覆って,さらにいろいろな個所が腫れ上がっている.これらは,すべてわずか1時間少しの間に加えられたものだ.自分が加えた暴虐の痕なのだ.そう思うと身体にゾクゾクとした興奮が湧き上がってくる.

(早く責めたい・・・・もっと泣かせたい・・・・)
 
 我慢できなくなってくるのを抑えながら,男の身体をいろいろ触る.
 前にかがむようにして男の乳首を探り当てる.
 ビクンと身体が震える.

 (乳首感じるんだわ・・・・)
 
 反応ですぐに分かる.

 「ああ,あああ」
 
 鞭打ちの時のうめき声とは明らかに違うあえぎが聞こえる.
 乳首を指の腹でなで,つめで引っかくように愛撫する.男は目をとじうっとり陶酔した表情をみせる.

 (今の内に感じられるだけ感じていなさい・・・・どうせすぐに泣くんだから・・・・)
 
 そう思いながら,胸,首筋,わき腹などを指でなぞってやる.

 「立ちなさい」

 立たせた男の下着の前が大きく膨らんでいるのが分かる.もう下着は不要だ.

 「脱ぎなさい」
 
 下着を脱いで,前を隠そうとする手を乗馬鞭で邪険の払う.はちきれそうな先端に快楽の涙がわずかに光っている.

 「ふん・・・・乳首いじられて気分出したの?」

 軽蔑しきった声で言う.

 「ま,いいわ....いろいろがんばったみたいだから.でも,これからはもっと泣いてもらうわよ.プレイを続けてほしいってお願いしたのはお前なんだからね」

 最後にだめを押すように言い切る.

 「膝立ちになりなさい」

 全頭マスクを被せる.戦闘開始の合図だ.マスクを被せると何をしてもいい,そういう錯覚が生まれる.

 (これでお前の人格は奪った.もう何をされても文句は言えないのよ)

  ふたたび心臓の鼓動が早くなってくるのが分かった. 

                                              5
 再び麻縄をぎっちりとかける.手早く後ろ手に縛り上げる.うつぶせに押し倒して両足も縛り,身体を反らして逆えびに固定する.足で押さえつけて,両手で思い切り縄を引いてぎっちりと縛る.男がう,う,とうなるのを無視して,拘束していく.
 男の胸,腹,太股に縄を掛け,逆えびのまま水平に釣る.滑車にロープを掛け,鎖で引き上げる.
ゆっくりと身体が宙に浮き,ちょうど胸ぐらいの高さにまでのぼってくる.ゆっくりと固定し,安定していることを確かめる.

 男の顔をなでながら,マスクの目を覗き込む.

 「ただ横になってるだけでは楽でしょう.少し苦しんでもらいましょうか」
 自分でもむちゃくちゃな言いがかりだと思い,思わず苦笑した.
 バッグからレンガブロックを取り出す.ひとつ,ふたつ・・・・
 海老ぞりになった腰のところに置く.

 「う・・・・ううう」
 
 男の身体がさらに反り返り苦しそうなあえぎが聞こえる.
 
  (くるしい? そうよね.それは苦しいわよね.でも,もっともっと泣くのよ・・・・)

 そう思いながら,さらに責め道具を取り出すべくバッグを開ける.
 




<続く>